2013年6月15日土曜日
「こどものじかん 第13巻(最終巻)」感想 教師と小学生の成長物語、堂々の完結
自分がやり遂げたことを見に来いよ!!オレは、おまえを祝うからな!!
ずっと教師陣、そしてレイジに感情移入をして読んでいた漫画。
新刊がでるのが楽しみで楽しみでしかたなかった漫画。 ついに最終回です。
小学生と教師の物語ですから、当然卒業式で終わるとは思っていましたが、
いざ卒業式を迎えると寂しいものですね。
さて、登場人物のほぼ全員が心にトラウマだったり闇を持っていたこの漫画。
最初はいじめ問題や不登校をピックアップされ、多少ませている性描写などもありましたが、
それに対して新任教師が少しずつ成長し、解決していく、よい物語でした。
主要人物の成長や救われた状況をかるくおさらい
九重りん:親を亡くしたショックで感情を失う。
後に宇佐を虐め登校拒否の原因を作った担任を虐め返し辞めさせる。
自ら危険な行動を起こして問題解決を図ることが多い。
青木と出会い、時間をかけ両想いになる。
自分の考え方や行動も青木の影響で変わる。高校生現在、青木とよい感じ。
鏡黒:母親に受け入れられてないと感じ、腹いせに親のカードで買い物しまくっていた。
当人は母親に怒られることで家族の絆を感じたかったが、
母親は叱ることで娘に嫌われることをおそれ、事なかれ主義で扱う。
白井先生を母親代わりにする時期を経て、母親と分かり合う。
年齢差を越え、白井先生と交友を深める。
高校生になり、りんより身長が伸びた。
宇佐美々:教師からの虐めを受け、登校拒否に。青木先生の呼びかけで学校に復帰。
勉強ばかり気にする母親とうまくいかず、思いつめることが多くなるが、
レイジとの出会い、彼の言葉で大きく救われる。
後に彼を好きになり、今度は自分がレイジを救いたいと思うようになる。
高校生現在、レイジと付き合い始める。
青木大介:新任教師。りんをはじめ子供に振り回されるが、徐々に問題解決能力を身につける。
悩みながらも成長し、実体験をもってして得た言葉や行動の数々は、
りん、宇佐、白井先生、レイジほかの心を救った。
高校生になったりんと再会、自分の恋愛心と向き合う。
白井先生:勉強ばかりの人生で、男性経験のない事、人との接し方が分からないことがトラウマ。
鏡黒との出会いで友情を知り、小矢島の告白で、自分が必要とされることを感じる。
母親嫌いだった自分が家族をつくり、母親になることに迷いながらも、
小矢島のプロポーズを受け結婚、一子を授かる。
特に鏡黒とはよい理解者であり、友達として卒業後も親交がある。
レイジ:幼い頃の家庭内暴力、虐待が原因で、心に大きなトラウマを持つ。
自分に価値はないと思い、りんと青木先生がうまくいったら自ら死のうと考えていた。
宇佐の近況に過去の自分を重ね「自分のようになってはいけない」と
アドバイスを送るなど宇佐の力になった。
卒業式前の青木の言葉により自分の存在価値を認識する。
高校生になった宇佐と付き合い始め、救われ始めている。
個人的にはレイジが救われそうで本当によかった。
同年代の青木先生との関係と、自分の過去に重ねた宇佐のおかげだと思う。
「自分に価値がない」という男を救うのは母性愛なんだね。
最初は青木先生の成長物語かと思ったが、結果的には全員の成長物語だった。
一番最初に「過激な表現がある漫画」として話題になっていたけど、
実際は人間誰でも嫌な過去やトラウマはある、それとどう向き合っていくか、
どう整理をつけて歩き出すか、というのが根幹にある話だった。
全員が順番にトラウマなどから救われていく、というのは、
彼氏彼女の事情でもそうであったが、
「みんな幸せになってよかったね」と最後に言えるので、読んでいて気分がいい。
併せて、自分に省みていろんな複雑な気持ちも生まれ、
自分自身も考え方や心の持ち方を変えよう、と思えるので、前向きになれたりする。
いろいろ考えさせられるけど、本当にいい作品でした。
また、このような良作品に巡りあいたいです。
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