あこがれの一人暮らし!・・・だったはずが。
現代のめぞん一刻 変人の集まる河合荘
漫画の舞台というのは。
学校であったり、部活やサークルであったり、バイト先などの職場であったり。
舞台の範囲を絞ることで同じ登場人物が毎回違和感なく登場でき、
人間関係に深みを増したりできる。
さて、今回紹介する「僕らはみんな河合荘」は下宿寮が舞台。
下宿寮の設定上、広い年代の人物を登場させられるので、
どうやって面白く、深い人間関係を描けるか、が肝になると思います。
物語は主人公である宇佐が、親の仕事の都合で一人暮らしを始めるところからスタートします。
家賃が安い、賄いの夕食がある、ということで、
親が勝手にルームメイトがいる下宿寮に決めてしまい、
思い描いていた『あこがれの一人暮らし』ではない、ということで、宇佐は入寮を拒否します。
しかし、あこがれの先輩、河合律が同じ下宿の住人である事を知り、
態度が180度豹変、河合荘での生活が始まるのでした。
さて、冒頭で書いた人間関係に深みを増すはずの登場人物ですが、
この手の漫画の性質上、住人はアクのある人が多い(笑)
城崎さん:愛称シロ。宇佐のルームメイト。ドM。定職についているような描写はない。河合荘の庭で遊び道具を作ったり、ゲーム大会をしたりといった企画を考え実行する。痴漢撃退時に亀甲縛りをするなど、縄技術には長けている。
麻弓さん:巨乳のOL。なぜが恋愛に関してダメな男に引っかかるケースが多く、男の手の平で転がされる。二股(以上)を掛けられていたり、あげく捨てられたりする。
彩花さん:女子大生。手の平で男を転がすのを趣味としていて、タイプの男性でなくてもとりあえず愛想を振りまく。メイク技術は相当で、すっぴんを見た者は悲鳴をあげるという。
河合律:本編のヒロイン。読書が趣味で、読んでいる本に影響されやすい。シャイな為か、あまり気持ちや表情を表に出さない無口な人。
住子さん:河合荘の管理人。住人が落ち込んだ時は好きな食べ物を作ってくれる。
また、舞台となる河合荘は男女で住居空間が分かれており、
女子エリアに立ち入ったら様々な護身道具(竹刀など)で痛い目にある。
食事は居間で全員揃って食べるため、顔を合せる機会は非常に多い。
このため、問題ごとは(面白半分の者もいるが)全員で解決に向けて話合う描写が多い。
舞台、登場人物ともによい設定で揃っている。
また、なんといってもヒロインの河合律の無意識に出るかわいいしぐさがハートを射抜く。
シャボン玉の液が口に入って、「苦い・・・」と無意識に出てくる言葉を
下ネタ扱いする麻弓さんに宇佐の心が汚れる。
純粋な恋愛物になる要素を持ちながらも、
それ以上にぶっとんだ住人のおかげで、マジメになりすぎず、
かといって下ネタになりすぎず、バランスよく要素がまとまっている。
2巻の最後に収録されている話は、宇佐の心が折れそうになった時に、
普段あまり仲の良くない麻弓さんと彩花さんとが協力して、
宇佐を助ける話は、普段ギャグばかりでも住人同士、きちんと絆があるんだと、
下宿寮という中で、きちんと家族なんだ、と心が温まる話。
未読の方は最低2巻まで読んだ上で評価を出して欲しい。
:追記:
2014年4月から、僕らはみんな河合荘がアニメ化するそうです。
原作の雰囲気を壊さない、面白く笑える、でも心に響く作品になって欲しいと思います。
めぞん一刻 全巻セット | おたくの娘さん 全巻セット |
0 件のコメント:
コメントを投稿